モノ作りがデジタル化されつつある時代ですが、私たちの手の中でじっくりと作品が作られています。
作品によって、工程順が異なったり、繰り返しの工程がございますが概ね以下の流れで製作しております。
題材を選んで構図を考えて図案を描いていきます。定番作品も時々、描き直しますので、製作時期によって絵が異なります。下絵は紙ですが、その後はiPadを使ってデザインすることが多いです。
主に真鍮の板材を利用しています。
真鍮は銅と亜鉛の合金で、古くから工芸品に利用されています。
また5円玉硬貨や管楽器なども真鍮で作られています。銅と亜鉛の割合により色味が異なります。
銅版画の版を製作する際に利用する古典的な技法です。
15世紀にヨーロッパで発明されています。
金属板に図案を写し、特殊な溶液に浸します。
図案の線や面が化学的に溶解し凹部が造形されます。
使用済み液は中和後、固形化して処理します。
糸ノコギリ機を使用して、手作業で作品の形状に切り出します。
ライトで明るく照し、ルーペで製作物を拡大して確認しながらの作業です。
透かし作品は、かなりの時間がかかります。
槌やタガネをつかって形を作っていきます。
部品は銀、銅、亜鉛の合金をガスバーナーで溶解して接合します。ロウ付けと言います。
アトリエのお掃除をしてから気分転換。
全体の研削、絵の彫り込み、研磨をします。
電気工具を使う時は安全のためマスクをしてガラスケース越しに作業をしています。
研磨の過程にて表面の加工もします。
梨地、ヘアライン、鏡面など、それぞれの作品デザインに合わせて加工します。
色を入れたり、薬品でアンティーク加工を行います。
酸化による黒ずみを抑え、永く良い状態を保持するためのコーティングを行います。屋外で晴れの日におこなっています。
コーティング無しの製作も賜ります。その場合はお手入れ方法をご案内いたしますのでご安心ください。
金属アクセサリー製法の一つに鋳造がございます。立体造形や量産に向いていますが、溶解炉や熟練した経験が必要となります。そのためデザインとは分業し、製作そのものは鋳造業者様、OEM製造業者様が行うことが多いようです。
私たちの作品は、量産することは考えておりません。デザイン描きから製作まで一貫して私たちの手の中で行っています。そのため、製作できるモノは限られますが、思い入れのある作品ばかりです。 永く楽しんで頂けますと嬉しいです。