
宮沢賢治作 注文の多い料理店をモチーフにしたペンダントトップの再掲です。
お盆のこの季節、怪談を語る会などが催されているようです。
このお話は、もはや怪談ではと。
[あらすじ]
東京から二人の紳士が狩猟に山にはいります。
しかし獲物はとれず、案内人ともはぐれてしまいます。
さらに連れていた猟犬たちも突然、死んでしまいます。
二人は諦めて宿に向かうことに。
そして帰路にて看板を見つけます。
———————————————
◇RESTAURANT西洋料理店◇
◇WILDCAT HOUSE 山猫軒◇
———————————————
二人は店へと入ってしまいます。
店内では、但し書きが。
「当軒は注文の多い料理店ですから、どうかご承知ください。」
二人は、人気のあるお店だと思い込みます。
店内では、進むたびに扉があり、それぞれの扉には注意書きが。
「お客さま方、ここで髪をきちんとして、それからはきもの泥を落してください。」
次の扉には。
「鉄砲と弾丸をここへ置いてください。」
さらに、次の扉には。
「どうか帽子と外套と靴をおとり下さい。」
さらに。さらに。
「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、ことに尖ったものは、みんなここに置いてください。」
などと、次々と注文がはいります。
それでも、二人は美味しくいただくために、作法や理由があるのだと受け止め、奥へ入っていくのでした。
そしてその先の扉には。
「いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。
お気の毒でした。
もうこれだけです。
どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。」
ようやく。
二人は気付きます。
注文をするのは、向こう側だと。
そして、自分達が料理されているのだと。
二人は戻ろうとしますが、後ろの扉が開かず、戻れません。
恐怖のあまり、二人の顔は紙くずのようにくしゃくしゃになります。
するとそのとき。
扉を破って死んだはずの2匹の猟犬が現れ、ぐるぐると回り、先の扉に向かって突進します。
激しく争う音が聞こえます。
すると。
。。。
店内にいたはずの二人は山の中で立っていました。
そこに案内の猟師も現れ、二人は無事に宿へと辿りつき、東京に戻ることができますが、クシャクシャの顔はもどりませんでした。
[製作あとがき]
注文の多い料理店は、今まで幾つかのバリエーションにてペンダントトップを製作してまいりました。
狩猟に入った紳士達が、その恐ろしさを知ることなくレストランの入り口の扉を開ける瞬間を表しています。
こちらのタイプは、5年ほど前に描いた下絵から製作しております。
今思えば、直したい部分があるのですが、当時の私が良いと思ったそのままの形でレプリカ的に再製作しております。
フレームデザインは、猫足のテーブルの脚(あし)をモチーフにしております。
細い脚の上を見上げると、そこには澄まし顔の猫。
二人の紳士が、最後の扉を開ける頃には、ニンマリした顔になっていることを、想像していただけると面白いです。
尚、仕様面についてですがネックレス紐・チェーンの取り付け部分は変更しましたので、ご購入時は新旧お選びいただけます。
#注文の多い料理店
#宮澤賢治