
新美南吉さんの童話 「手袋を買いに」をモチーフにしてデザイン・製作した作品です。
追加製作しています。
新美南吉さん(1913-1943)は、愛知県出身の児童文学作家。「ごん狐」など有名な作品をのこしています。このお話は、キツネの親子とお店屋さんの心あたたまる愛らしいお話です。
[あらすじ]
昨晩は雪が降り、森の中では子狐が雪遊びを楽しんでいました。
すると子狐は「お手々がちんちんする」と言って、赤紫に冷えた手をお母さん狐に差し出します。
お母さん狐は、その温かい手で子狐の手を包み込み、そっと温めてあげました。
お母さん狐は、人間の街で子狐に毛糸の手袋を買ってあげようと思いましたが、
かつての苦い経験から、どうしても足が前に進みません。
そこで、なんとか子狐だけで買い物に行かせることにしました。
まず、お母さん狐は子狐の片方の手を握り、人間の子どもの手に変えました。
そしてお金を渡し、こう教えます。
「人間の街に着いたら、シルクハットの看板のあるお店を見つけて戸を叩き、
“こんばんは”と言うのよ。」
「そして、少し戸が開いたら、その隙間から人間の手の方を差し入れて、
“この手に合う手袋をください”と言うのよ。」
・・・
子狐はさっそく街の明かりを目指して、森を下りていきました。
人間の街に着くと、教えられた通りシルクハットの看板の店を見つけ、
トントンと戸を叩きました。
すると戸が少し開き、中からまぶしい光があふれ出てきて、子狐は思わずびっくりします。
すっかり慌てた子狐は、間違えて狐の手の方を差し出してしまいました。
そのまま「このお手々にちょうどいい手袋をちょうだい」と言って、お金を渡します。
帽子屋さんは、子狐の手を見て「おやおや」と思いながらも、
棚から毛糸の手袋を取り出して手渡してくれました。
子狐はお礼を言い、来た道を帰り始めました。
・・・
狐の手を出してしまったにもかかわらず、
何も言わずに手袋を渡してくれたことに、子狐は人間の優しさを感じていました。
そして、近くの家の窓辺からは子守唄が優しく響き、小さな子どもの声も聞こえてきます。
子狐は急にお母さんが恋しくなり、
お母さんの待つ森へと跳んで帰っていきました。
[製作あとがき]
帽子屋さんは軒先にシルクハットの看板を描き、
そこには、背筋を伸ばして少し緊張した様子の子狐を表現しました。
店内では、おじいちゃんを優しく描き、
新美南吉さんの童話が持つ温かさを丁寧に表現することに努めました。
